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研修医の先生へ

研修の内容や心得などを紹介しています.

京都府立医科大学卒後臨床研修センター

外科医は手術だけでなく術前,術後管理に加え,化学療法から放射線治療,緩和ケアまで幅広い知識が不可欠です.しかもすべてソツなくできなければいけません.府立医大呼吸器外科でそのイロハを学んでみませんか?呼吸器外科のチームの一員に加わって主治医として診療に関われば努力次第で実力もどんどんついてくるでしょう.宿題のページも参考にしてみてください.

(1)一般理解目標

1.胸郭内の解剖
2.呼吸器、縦隔疾患の病態
3.呼吸器腫瘤性病変の画像診断と鑑別疾患
4.肺癌の手術適応と術式
5.縦隔腫瘍の好発部位と鑑別疾患
6.気管支鏡検査、CTガイド下生検とは
7.胸腔ドレナージについて
8.周術期管理

(2)行動目標

1.正確な画像診断ができる
2.手術適応が判断できる
3.手術リスクの評価ができる
4.手術術式と胸腔鏡について理解できる
5.胸腔ドレーンを抜くタイミングとその抜き方がわかる
6.術後管理ができる
7.呼吸器外科領域についての最新の見解を論文等により得ることができる
8.肺癌術後補助化学療法の適応や副作用等について理解し,実行できる
9.再発進行肺癌に対する化学療法や緩和治療について理解し,実行できる

京都府立医科大学附属病院卒後臨床研修プログラムについてはこちら        

今までに研修した先生方

研修の感想など (このCV挿入のテクニックなどは現場の雰囲気が良く伝わる名文です:管理人)

感想文

★CV cathe成功の秘訣(?)を古谷先生(外科研修医2年目)に書いていただきました.

Central Vein Catheter REPORT(初成功)Date:2004/8/18
Patient: ***
Operator:古谷晃伸
Supervisor:西村元宏Dr、伊藤和弘Dr
CVキット:アーガイル16G 30cmシングルルーメン
Ope time:15min
Blood loss:少量
Operative findings and procedures:仰臥位、足挙上位で手技を開始した。患者が細身であったため肩枕は挿入しなかった。右鎖骨下を中心に径20cmの範囲を二度イソジンにて消毒した。患者に「顔にシーツを被せます」と説明し穴あき清潔シートを右鎖骨下が中心に来るように被せた。その尾側に清潔シートを一枚追加し清潔野を拡大した。手指で患者の鎖骨の太さを確認した。「痛み止めの注射をします、チクッとしますよ」と説明し鎖骨より一横指尾側で鎖骨中線上にカテラン針でキシロカインによる局所麻酔を行い、径4cmの膨疹を形成した。左手第二指で胸骨切痕を確認しつつ、左手第一指で皮膚を圧迫し鎖骨下針先が鎖骨をくぐるよう刺入部を調節した。胸骨切痕を目標に右手第4,5指でシリンジを引きつつ試験穿刺の針先を鎖骨下へとくぐらした。針先が4cm進んだところで血液の逆流を確認した。血液が暗赤色であることより静脈血と判断した。予想より浅い部位で逆流があったので一瞬時が止まったが深度を確認し試験穿刺を抜去した。本穿刺を試験穿刺とまったく同様に行った。静脈血の逆流を確認しさらに2mm内筒を進めそこで外筒をカニュレーションした。そのまま逆流を再度確認した後内筒を抜去した。左手で外筒入り口を押さえつつ右手でカテーテルを手に取った。カテーテルを外筒に5cm挿入し「それでは顎を引いて右側を向いてください」と患者に伝え、カテーテルを20cm挿入した。そして外筒を抜去した。15cmまでカテーテルを引き抜きそこで刺入部を3-0絹糸で固定し、またキット同封の固定具を使用して固定した。清潔シートを除去し「終わりましたよ」と伝え刺入部をイソジンで消毒しガーゼにて被覆した。すぐに胸部XPを撮影しカテ先が上大静脈に存在すること、気胸なきことを確認し手技を終了した。

Improvement point:
皮膚の局所麻酔より広範囲にする。
穿刺はシリンジを両手で把持しつつ行う。
試験穿刺抜去から本穿刺開始までは視点を穿刺部位から動かさない。
可能なら外筒は全てカニュレーションする。
内筒抜去時は速やかに外筒入口を塞ぎ空気塞栓を防止する。
カテーテルは20cmも挿入しない。

局所麻酔は大切です.刺入点の周囲にも麻酔が必要なのは,留置後に固定するからです.また、本穿刺成功後に内筒を抜いたとき、患者が強く吸気すると,胸腔内の陰圧が強くなり,空気を吸い込むことがあります。局所麻酔開始から、カテーテル留置まで5分20秒、安全にできました.(コメント:いとう)

★呼吸器外科の研修(3ヶ月)が終わってから、内藤先生(スーパーローテート1年目)のメールをご紹介します.(July 17, 2004)

内藤です。3ヶ月間本当にお世話になり、ありがとうございました。呼吸器にとどまることなく、ペースメーカーやSwan-Ganzカテーテルから祇園祭でのビラ配りまで、医師としてだけでなく、社会人としても多くの研修をさせていただきました。何事も最初が重要と言いますが、呼吸器外科での3ヶ月は僕の医師としての人生に大きな影響と刺激を与えてくれました。先生方の厳しくも温かいご指導により、忙しくも楽しい、また成長できた3ヶ月だった思います。今の気持ちを忘れることなく明日からの麻酔科でも頑張っていきます。今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。 内藤拝

朝早くから夜遅くまで、よく頑張りました。(コメント:いとう)

 

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